映画『天気の子』を見て、原作の小説も読んでみたいと考える人は多いはずです。ただ、映画と同じ物語をもう一度たどるだけなら読む意味があるのか、文庫1冊を最後まで読み切れるのかは、買う前に迷うところでしょう。
小説『天気の子』は、映画の監督である新海誠が自分で書いた原作小説です。映像では流れていった帆高と陽菜の日々を、文章なら自分の速度で追いかけられます。
この記事では、作品情報とネタバレなしのあらすじ、どんな人に向いているかを紹介します。筆者が高校生のころから3回以上読み返してきた感想と、Audibleで聴いた感想もまとめました。
Kindle UnlimitedとAudibleのどちらで読めるのか、映画との違い、読書感想文に使えるのかといった疑問にも最後で答えています。
小説『天気の子』の作品情報
小説『天気の子』の基本情報は以下のとおりです。読書感想文で必要になる書誌情報も、この表からそのまま拾えます。
| 書名 | 小説 天気の子 |
|---|---|
| 著者 | 新海誠 |
| 出版社 | KADOKAWA |
| レーベル | 角川文庫 |
| 発売日 | 2019年7月18日 |
| ページ数 | 320ページ |
| 冊数 | 1冊で完結 |
著者の新海誠は、映画『天気の子』の監督その人です。映画の脚本を別の作家がノベライズしたものではなく、監督自身が書いた原作小説にあたります。
紙の文庫版はカバーを外すと、裏側に新海誠のメッセージとサインが印字されています。
小説『天気の子』のあらすじ
舞台は現代の日本。高校1年の夏に離島から家出して東京にやってきた少年・帆高と、ある事情を抱えて弟とふたりで暮らす少女・陽菜、この二人の物語です。
帆高がたどり着いた東京では、連日雨が降り続いていました。頼れる相手も泊まる場所もないまま雑踏に紛れ、行き場をなくしたところで、雑誌の取材を手伝うバイトにありつきます。
任されたのは、このやまない雨をめぐる取材でした。天気を晴れに変えてしまう「晴れ女」がいるという話を追うことになり、帆高は雨の東京を歩いて回ります。
その途中、雑踏ひしめく都会の片隅で出会ったのが陽菜でした。「ねぇ、今から晴れるよ」。陽菜がそう言って祈ると空から光が差し、それが祈るだけで空を晴れにできる力だと分かります。
探していた「晴れ女」が目の前にいると気づいた帆高は、陽菜にある提案をします。この力を仕事にして、二人で暮らしを立てていこうという話でした。
小説『天気の子』はこんな人におすすめ
小説『天気の子』は、こんな人におすすめです。
- 通勤や通学の移動時間で1冊読み切りたい人
- 長い小説が続かず、薄めの文庫から始めたい人
- はじめて読む小説を探している中学生・高校生
- 本を開く時間が取れず、耳で読書を済ませたい人
1冊で完結する分量で、文章も平易です。場面の区切りが細かいので、電車のなかで数分ずつ進めても筋を見失いません。文庫版とAudible版で同じ物語をたどれるため、読む時間が取れない人は耳から入る手もあります。
逆に、腰を据えて長い物語に沈みたい人には、やや物足りないかもしれません。読み終えて物足りなさが残ったら、同じ角川文庫から出ている『小説 君の名は。』や『小説 すずめの戸締まり』もおすすめです。

小説『天気の子』を読んだ感想
筆者がはじめて読んだのは高校1年のころで、帆高とちょうど同じ年でした。そのあとも読み返し、通算では3〜4回ほど読んでいます。最後に手に取ったのは数年前です。
よかったところ
いちばん引き込まれたのは、帆高が須賀の事務所に転がり込んで暮らしはじめるところでした。行き場のなかった少年が、雑誌の取材を手伝いながら仕事を覚えていく過程が、素直に面白かったです。そこから「晴れ女」を仕事にして依頼が増えていく流れも、次はどうなるのかが気になって手が止まりませんでした。
東京の描き方も印象に残っています。雨で濡れたまま過ごす場面や、その日に食べるものをどう確保するかの描写が積み重なるので、家出した高校生が東京でどれだけ余裕のない暮らしをしていたのかが、説明なしで伝わってきました。実在の地名や場所がそのまま出てくる点も、雨の東京を現実の街として受け取れた理由だと思います。
筆者も高校1年のときに読んだので、帆高の年齢がそのまま自分と重なりました。同い年の主人公が知らない街で一人きりでいる話として読めたのが、いちばん大きかったです。
ネタバレになってしまうので詳しく書けないのは残念ですが、最後まで読んでから序盤を思い返すと、書かれていたことの意味が変わって見えました。
合わないと感じたところ
終盤に入る手前で、読む速度が落ちました。
早く先を知りたくなって、そのあたりは読み飛ばし気味に進めています。
Audibleで小説『天気の子』を聴いた感想
筆者が聴いたのは大学生のころで、車を運転しているあいだでした。渋滞や信号待ちの多い市街地を走ることが多く、その時間に流して通しで1回聴き終えています。

よかったところ
ハンドルを握っているだけで物語が進んでいくのは、想像していたより楽でした。信号で止まっている時間がそのまま読書の時間に変わったのが、いちばん得をした気分になった点です。
朗読が映画のキャストそのままなのも大きかったです。帆高と陽菜のやり取りは映画で聞いた声のままなので、走り出して数分で物語に入れました。
速度は等倍のまま最後まで聴き通し、倍速にしようと思う場面は一度もありませんでした。
合わないと感じたところ
運転に集中する場面では、話を聞き落としました。とくに慣れない道でナビを見ているあいだは耳が物語から離れてしまい、気づくと場面が進んでいました。
聞き落としたときは、いったん止めてから戻して聴き直しています。戻す操作そのものが運転中は手間で、安全に止まれる場所まで待つことになりました。
戻したくなった箇所はほぼ決まっていて、場所や状況の説明が続くあたりです。いま帆高がどこにいるのかを見失うと、その先の会話も頭に入ってこなくなりました。
小説『天気の子』を無料で楽しむ方法
小説『天気の子』を費用をかけずに楽しむなら、Audibleの無料体験を使う方法があります。
Audibleでは聴き放題の対象です(調査時点)。朗読は醍醐虎汰朗と森七菜、再生時間は7時間10分です。
この二人は映画で帆高と陽菜を演じた俳優で、ほかの登場人物もすべて二人が朗読しています。巻末には、二人がオーディオブックについて語った特典メッセージも入っています。
Audibleは初回30日間が無料で、無料期間内に退会すれば費用はかかりません。無料期間が終わると月額1,500円で自動更新されます。
再生時間から計算すると、往復1時間の移動なら8日ほどで聴き終わる分量です。
小説『天気の子』に関するよくある質問
小説『天気の子』は本編のほかに何冊ありますか?
2種類あります。ふりがなつきで小学生から読める角川つばさ文庫版(2019年8月9日発売・304ページ)と、窪田航が作画したコミカライズ版(全3巻)です。
つばさ文庫版は本編と同じ物語なので、大人が読むなら角川文庫版で足ります。コミカライズ版だけは講談社から出ていて、版元が違う点に注意してください。
小説と映画で内容は違いますか?
大筋は同じ物語です。ただし、映画では描かれなかった場面も小説には入っています。
映画を見たあとで読んでも、同じ話をなぞるだけにはなりません。帆高や陽菜だけでなく、須賀や夏美それぞれの想いも言葉で書かれています。
小説と映画はどっちが先ですか?
発売でみれば小説が先です。小説の発売は2019年7月18日、映画の公開は翌7月19日で、小説のほうが1日だけ早く出ています。
物語は同じなので、どちらから触れてもかまいません。
Kindle Unlimitedで読めますか?
Kindle Unlimitedの対象外です(調査時点)。読み放題では読めないため、Kindle版は単品購入になります。
読み放題の対象作品は入れ替わるため、購入前に商品ページで確認してください。冒頭だけであれば、Kindleストアの無料サンプルで試し読みできます。
英語版はありますか?
あります。「Weathering With You」というタイトルで、Yen Pressのレーベル「Yen On」から出版されています。
著者のクレジットは日本語版と同じく新海誠です。
読書感想文に使えますか?
分量は文庫版で320ページの1冊完結なので、長編に比べれば読み切りやすい部類です。文章も平易で、学年に合わせてふりがなつきのつばさ文庫版も選べます。
ただし課題図書の指定がある場合もあるため、書き始める前に学校の条件を確認してください。
まとめ
小説『天気の子』は、映画の監督である新海誠が映画の制作と並行して書いた原作小説です。文庫1冊で読み切れるので、映画を見たあとに帆高と陽菜の日々をもう一度たどるのに向いています。
雨が降り続く東京と、行き場を探す帆高の暮らしが細かく書き込まれています。映画では一瞬で通り過ぎた場面でも、文章なら自分の速度で立ち止まれるはずです。
Kindle Unlimitedの対象外ではあるものの、Audibleでは聴き放題の対象です。移動中に物語を進めたい人は、30日間の無料体験から試してみてください。
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