映画『君の名は。』を見て、原作の小説も読んでみたいと考える人は多いはずです。ただ、映画と同じ物語をもう一度たどるだけなら読む意味があるのか、文庫1冊を最後まで読み切れるのかは、買う前に気になるところでしょう。
小説『君の名は。』は、映画の監督である新海誠が自分で書いた原作小説です。映像では一瞬で流れていく三葉と瀧の日々を、文章なら自分の速度で読み直せます。
この記事では、作品情報とネタバレなしのあらすじ、どんな人に向いているかを紹介します。筆者が5回読み返した感想と、Audibleで無料で聴く方法もまとめました。
本編のほかに何冊あるのか、映画との違い、読書感想文に使えるのかといった疑問にも最後で答えています。
小説『君の名は。』の作品情報
小説『君の名は。』の基本情報は以下のとおりです。読書感想文で必要になる書誌情報も、この表からそのまま拾えます。
| 書名 | 小説 君の名は。 |
|---|---|
| 著者 | 新海誠 |
| 出版社 | KADOKAWA |
| レーベル | 角川文庫 |
| 発売日 | 2016年6月18日 |
| ページ数 | 272ページ |
| 冊数 | 1冊で完結 |
著者の新海誠は、映画『君の名は。』の監督その人です。映画の脚本を別の作家がノベライズしたものではなく、監督自身が書いた原作小説にあたります。
小説『君の名は。』のあらすじ
舞台は現代の日本。山にかこまれた田舎町で祖母と妹の四葉と暮らす女子高校生・宮水三葉と、東京で暮らす男子高校生・立花瀧、この二人の物語です。
山あいの町での暮らしに嫌気がさしていた三葉は、ある朝、目を覚ますと男の子の体になっていました。知らない部屋で知らない友人に囲まれ、窓の外には東京の街が広がっています。
三葉は憧れていた東京での暮らしを満喫し、はじめて歩く都会の一日に浮かれました。瀧は女子高校生としてふるまうことに戸惑い、三葉の日常をなぞるだけで一日が終わります。
やがて二人は、何度かの入れ替わりを重ねるうちに、眠るたびに互いの体が入れ替わっていると気づきます。直接は連絡が取れないため、書き置きでやり取りしながら、互いの生活を壊さないためのルールを決めて日々を送りました。
入れ替わりながらの生活を続けるうちに、二人は互いのことを少しずつ知っていきます。そして、まだ会ったことのない相手に会いたくなっていきます。
小説『君の名は。』はこんな人におすすめ
小説『君の名は。』は、こんな人におすすめです。
- 通勤や通学の細切れ時間で1冊読み切りたい人
- 長い小説を読み通せるか不安で、薄めの文庫から始めたい人
- はじめて読む小説を探している中学生・高校生
1冊で完結する分量で、文章も平易です。場面の区切りが細かいので、電車のなかで数分ずつ進めても筋を見失いません。読書から離れていた人が習慣を戻すきっかけにも使えます。
逆に、腰を据えて長い物語に沈みたい人には、やや物足りないかもしれません。
小説『君の名は。』を読んだ感想
筆者がはじめて読んだのは中学生のころで、当時は取りつかれたように何度も読み返していました。最近およそ10年ぶりに読み直し、通算では5回ほど読んでいます。
よかったところ
読み返してあらためて感心したのは、糸守町の暮らしの描き方です。町の外へ出る手段も、放課後に立ち寄れる場所も限られていて、三葉が毎日なにをうんざりしているのかが具体的に伝わってきました。
対になっているのが、東京での瀧の生活です。学校とバイト先を行き来する日常が同じ密度で書かれているので、入れ替わった二人がどれだけ違う場所に立っているのかが、説明なしで分かりました。
テンポのよさも印象に残りました。短い場面を積み重ねて進むので、次が気になって手が止まりません。文章そのものは平易で、どこかで引っかかって止まることはありませんでした。
ネタバレになってしまうので詳しく書けないのは残念ですが、中学生のときに刺さった場面と、大人になって読み返して刺さった場面は違いました。同じ本なのに、読む年齢で目が留まる場所が変わるのも面白いところです。
合わないと感じたところ
1回目に読んだときは、町のしきたりや神事の描写が続くあたりで、読む速度が落ちました。
Audibleで小説『君の名は。』を聴いた感想
筆者は現在大学生で、田舎に住んでいます。移動手段がどうしても車になるため、ここ数か月のあいだ、ひとりで運転するときに流す音楽の代わりとしてAudible版を再生し、通しで1回聴き終えました。
よかったところ
ハンドルを握っているだけで物語が進んでいくのは、想像していたより快適でした。読むための時間をわざわざ作らなくてよかったのが、いちばん楽に感じた点です。
いつも流している音楽をAudibleに替えただけなのに、運転の時間の中身がまるごと変わりました。片道を走り終えるころには物語がしっかり進んでいるのが、単純に気持ちよかったです。
ナレーションの朴璐美は、全体としては淡々とした読み方です。運転しながらでも耳が疲れず、速度は等倍のまま最後まで聴き通せました。
そのぶん、二人のやり取りを読む場面と、風景を描く地の文では読み方が明らかに変わります。運転中なのに、意識が物語のほうへ持っていかれました。
合わないと感じたところ
運転に集中する場面では、話を聞き落としました。合流や交通量の多い道では耳が物語から離れてしまい、気づくと場面が進んでいます。
運転中は手が離せないので、戻さずそのまま聴き進めました。何度も読んだ作品だったので理解に困ることはありませんでしたが、はじめて触れる作品だったら分からないまま進んでいたはずです。
自分のペースで止まって考えられないのも、紙の本との違いでした。とくに三葉の家族の関係を頭の中で並べ直したくなったとき、ページを戻せないもどかしさがありました。
小説『君の名は。』を無料で楽しむ方法
小説『君の名は。』を費用をかけずに楽しむなら、Audibleの無料体験を使う方法があります。
Audibleでは聴き放題の対象です(調査時点)。再生時間は6時間33分です。
Audibleは初回30日間が無料で、無料期間内に退会すれば費用はかかりません。無料期間が終わると月額1,500円で自動更新されます。
再生時間から計算すると、往復1時間の移動なら7日ほどで聴き終わる分量です。
外伝の『君の名は。 Another Side:Earthbound』もAudibleで配信されています。本編を聴き終えたら、そのまま外伝へ進めます。
小説『君の名は。』に関するよくある質問
小説『君の名は。』は本編のほかに何冊ありますか?
2冊あります。ふりがなつきで小学校高学年から読める角川つばさ文庫版と、脇の人物を主役にした外伝『君の名は。 Another Side:Earthbound』(加納新太/原作 新海誠)です。
つばさ文庫版は本編と同じ物語なので、大人が読むなら角川文庫版を選べば足ります。外伝は2026年8月25日に角川文庫版が発売予定です。
小説と映画で内容は違いますか?
同じ物語です。完成した脚本を別の書き手が小説にしたものではなく、新海誠監督が映画の制作中に自分で書いた原作小説にあたります。映像と音楽で伝わっていた場面が、文章に置き換わります。
映画と小説はどっちが先ですか?
発売でみれば小説が先です。小説の発売は2016年6月18日、映画の公開は同年8月26日で、小説のほうが約2か月早く出ています。物語は同じなので、どちらから触れてもかまいません。
Kindle Unlimitedで読めますか?
Kindle Unlimitedの対象外です(調査時点)。読み放題では読めないため、Kindle版は単品購入になります。
読み放題の対象作品は入れ替わるため、購入前に商品ページで確認してください。冒頭だけであれば、Kindleストアの無料サンプルで試し読みできます。
英語版はありますか?
あります。「your name.」というタイトルで、Yen Pressのレーベル「Yen On」から出版されています。著者のクレジットは日本語版と同じく新海誠です。
読書感想文に使えますか?
分量は文庫版で272ページの1冊完結なので、長編に比べれば読み切りやすい部類です。文章も平易で、学年に合わせてふりがなつきのつばさ文庫版も選べます。
ただし課題図書の指定がある場合もあるため、書き始める前に学校の条件を確認してください。
まとめ
小説『君の名は。』は、映画の監督である新海誠が映画の制作と並行して書いた原作小説です。文庫1冊で読み切れるので、映画を見たあとに三葉と瀧の日々をもう一度たどるのに向いています。
糸守町の暮らしと東京での生活、その対比が丁寧に書かれているので、映像では流れていった時間を自分の速度で読み直せます。
Kindle Unlimitedの対象外ではあるものの、Audibleでは聴き放題の対象です。移動中に物語を進めたい人は、30日間の無料体験から試してみてください。
Amazonのアソシエイトとして、当メディアは適格販売により収入を得ています。

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