ドラマをきっかけに小説『ザ・ロイヤルファミリー』が気になっても、624ページという分量の前で手が止まる人は多いはずです。競馬を知らないまま読んで楽しめるのかも、買う前に引っかかるところでしょう。
小説『ザ・ロイヤルファミリー』は、早見和真が2019年に発表した長編です。税理士が馬主の秘書になり、有馬記念を目指します。山本周五郎賞を受けた作品です。
この記事では、作品情報とネタバレなしのあらすじ、どんな人に向いているかを紹介します。筆者が文庫で読んだ感想と、Audibleで聴いた感想も、よかったところと合わなかったところに分けてまとめました。
Audibleの聴き放題で無料で聴く方法や、ドラマとの違い、実話なのかといった疑問にも最後で答えています。
小説『ザ・ロイヤルファミリー』の作品情報
小説『ザ・ロイヤルファミリー』の基本情報は以下のとおりです。
| 書名 | ザ・ロイヤルファミリー |
|---|---|
| 著者 | 早見和真 |
| 出版社 | 新潮社 |
| レーベル | 新潮文庫 |
| 発売日 | 2022年11月28日 |
| ページ数 | 624ページ |
| 冊数 | 1冊で完結 |
著者の早見和真は1977年神奈川県生まれの作家です。この作品で第33回山本周五郎賞とJRA賞馬事文化賞を受けています。
単行本は2019年10月30日に刊行され、2022年11月に新潮文庫へ入りました。文庫も上下巻には分かれておらず、1冊にまとまっています。
小説『ザ・ロイヤルファミリー』のあらすじ
舞台は現代の日本、中央競馬の世界です。主人公は税理士の栗須栄治。父を亡くしたばかりで、気持ちの整理がつかないまま日々を過ごしていました。
そんな栗須が、はじめて買った馬券をビギナーズラックで的中させます。この一枚が縁になり、人材派遣会社「ロイヤルヒューマン」を率いるワンマン社長・山王耕造と引き合わされました。
山王は競馬に熱中する馬主で、自分の持ち馬に〈ロイヤル〉の名を冠していました。「絶対に俺を裏切るな」とだけ言い渡された栗須は、税理士事務所を離れて山王の秘書になります。
山王が追いかけていたのは、〈ロイヤル〉の名を持つ馬で有馬記念を勝つことでした。数字を扱う仕事しか知らなかった栗須は、生産牧場や調教師、騎手が動く馬主の世界に足を踏み入れていきます。
ここから、馬主一家と栗須の20年がはじまります。競馬の世界を舞台にしながら、描かれるのは金と仕事、そして家族の物語です。
小説『ザ・ロイヤルファミリー』はこんな人におすすめ
小説『ザ・ロイヤルファミリー』は、こんな人におすすめです。
- 通勤や通学の移動時間を使って、長い小説を何日かかけて読み進めたい人
- 読み応えのある1冊がほしくて、完結済みの物語を探している人
- 競馬にくわしくないけれど、仕事や金をめぐる人間関係を描いた小説が好きな人
- 受賞作から次に読む本を選びたい人
1冊完結の長編で、1日に数十ページずつ進めても2週間ほどで読み終わる分量です。競馬の知識がなくても、税理士である栗須の目線が案内役になるので置いていかれません。
逆に、短い時間でさっと読み切れる薄い文庫を探している人には、この厚みは重く感じられるはずです。
小説『ザ・ロイヤルファミリー』を読んだ感想
筆者が読んだのはドラマを見たあとで、原作を先に知っていたわけではありません。ここ数か月のうちに、文庫で通しで1回読みました。
よかったところ
読み始めてすぐに引き込まれました。栗須栄治が山王耕造とはじめて顔を合わせる場面で一気に距離を詰められた感じがして、面白くなるまで待つ必要がありませんでした。
栗須が秘書として働きはじめるところも、続けて引き込まれた部分です。競馬を趣味としてではなく仕事として引き受けていく流れなので、知識のない筆者でも同じ速度でついていけました。
いちばん面白かったのは、馬主が馬を持つまでの金と覚悟の書き方です。山王が馬に金を注ぎ込む姿勢だけでなく、馬主になるための資格や条件がそもそも厳しいという事実も、この小説ではじめて知った部分です。
生産牧場での馬の育てられ方や、調教師と騎手と馬主のあいだの距離感も読みごたえがありました。とくに緊張したのはレース当日の駆け引きで、勝敗が分からないまま読んでいるだけなのに、ページをめくる手が速くなりました。
合わないと感じたところ
登場人物が多く、途中で誰が誰なのか分からなくなりました。とくに混ざったのは、山王耕造の家族と栗須栄治の周りの人たちです。頭の中で並べ直しても追いつかず、結局ネットで相関図を調べました。
競馬の専門用語も引っかかりました。馬主や生産、調教といった業界の仕組みと、レースの格付けやクラス分けが分からないまま、調べずに雰囲気で読み進めた場面がいくつもあります。
Audibleで小説『ザ・ロイヤルファミリー』を聴いた感想
筆者は学生で、通学の電車やバスと、車を運転しているときにAudible版を流していました。文庫で先に読み終えてから、通しで1回聴いています。再生速度は1.2〜1.5倍です。

よかったところ
ナレーションの中村友紀が登場人物を読み分けていたのが、いちばんよかったところです。山王耕造と栗須栄治のやり取りは、名前が出てこない場面でもどちらが話しているのか声で分かりました。
栗須と競馬関係者のやり取りも同じで、年齢の離れた相手との会話では声の調子がはっきり変わりました。紙で読んでいたときより、誰が主導権を握っているのかをつかみやすかったです。
1.2〜1.5倍まで速度を上げても言葉がつぶれず、通学中でも最後まで聞き取れました。全体に淡々とした読み方だったのも、移動しながら聴くには合っていた点です。
合わないと感じたところ
移動や運転に意識が向くと、話を聞き落としました。電車でも車でも聴きやすさに差はなく、集中が切れたぶんだけ物語が先に進んでいます。
戻して聞き直すのが手間だったのも、紙の本との違いでした。時間が飛んで場面が切り替わったときにいちばん戻したくなるのに、そこを探し当てるまでに何度も操作が必要でした。
聞き落としたことに気づかないまま進んでいた箇所もあり、あとから文庫で読み直しています。
小説『ザ・ロイヤルファミリー』を無料で読む方法
小説『ザ・ロイヤルファミリー』を費用をかけずに楽しむなら、Audibleの無料体験を使う方法があります。
Audibleでは聴き放題の対象です(調査時点)。再生時間は16時間39分で、本文を省略していない完全版です。
Audibleは初回30日間が無料で、無料期間内に退会すれば費用はかかりません。無料期間が終わると月額1,500円で自動更新されます。
再生時間から計算すると、往復1時間の移動なら17日ほどで聴き終わる分量です。文庫だと机に向かう時間が必要になるので、読む時間を作りにくい人ほど音声のほうが進みます。
聴き放題の対象は入れ替わるため、聴く前に商品ページで対象かどうかを確認してください。
小説『ザ・ロイヤルファミリー』に関するよくある質問
小説とドラマで内容は違いますか?
原作の小説が先に世に出ていて、ドラマ化されたのは2025年10月です。映像化にあたって内容がどう変えられたかについて、出版社や制作側の公式な説明は見つかりませんでした(調査時点)。
原作は途中で切れずに終わるため、はじまりから結末までをひと続きで追えます。
ザ・ロイヤルファミリーは実話ですか?
小説なので物語自体はフィクションです。実在の人物や出来事をもとにしたという公式の説明は見つかりませんでした(調査時点)。
ただし作中には有馬記念のような実在のレースが出てきます。競馬をあつかった作品としてJRA賞馬事文化賞も受けています。
小説に続編はありますか?
続編は刊行されていません(調査時点)。新潮社の作品ページにも、続編やスピンオフの案内はありません。
文庫1冊で完結するので、この本だけで物語を最後まで読めます。
Kindle Unlimitedで読めますか?
Kindle Unlimitedの対象外です(調査時点)。読み放題では読めないため、Kindle版は単品購入になります。
読み放題の対象作品は入れ替わるため、購入前に商品ページで確認してください。冒頭だけであれば、Kindleストアの無料サンプルで試し読みできます。
まとめ
小説『ザ・ロイヤルファミリー』は、早見和真が馬主一家の20年を描いた長編です。税理士の栗須栄治が山王耕造の秘書になり、〈ロイヤル〉の名を冠した馬で有馬記念を目指します。
競馬の用語には引っかかる場面もありましたが、馬主が馬を持つまでの金と覚悟の書き方は、知識がなくても引き込まれるものでした。1冊で完結するので、腰を据えて読める長編を探している人に向いています。
Kindle Unlimitedの対象外ではあるものの、Audibleでは聴き放題の対象です。移動中に物語を進めたい人は、30日間の無料体験から試してみてください。
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