「これは経費で落ちません!」の原作小説を読もうと思って調べると、巻数が多くて最初の1冊を決めにくくなります。すでに完結しているのか、どこから読めばいいのかも気になるところです。
原作は青木祐子が書く集英社オレンジ文庫のシリーズで、1巻は256ページの文庫です。1つのエピソードが短く区切られているので、通勤や通学の移動時間でも少しずつ読み進められます。
この記事では、作品情報とネタバレなしのあらすじ、どんな人に向いているかを紹介します。筆者が1巻を読んだ感想と、Audibleで聴いた感想も書きました。
完結しているのか、Kindle Unlimitedで読めるのか、NHKのドラマとどうつながっているのかといった疑問にも、最後で答えています。
小説『これは経費で落ちません!』の作品情報
小説『これは経費で落ちません!』の基本情報は以下のとおりです。1巻の書誌情報をまとめました。
| 書名 | これは経費で落ちません! ~経理部の森若さん~ |
|---|---|
| 著者 | 青木祐子 |
| 出版社 | 集英社 |
| レーベル | 集英社オレンジ文庫 |
| 発売日 | 2016年5月20日 |
| ページ数 | 256ページ |
| 冊数 | 既刊13巻(連載中) |
1巻は2016年に出た文庫で、ここから経理部の森若沙名子の話が始まります。集英社オレンジ文庫の公式サイトでは、シリーズ累計200万部を突破したと案内されています。
小説『これは経費で落ちません!』のあらすじ
舞台は現代の日本。入浴剤などを手がける天天コーポレーションの経理部が、物語の主な場所です。
主人公は森若沙名子、27歳。入社以来ずっと経理で、勤めて5年目になります。きっちり働いて適正な給料を受け取り、過剰なものも足りないものもない生活を送っていました。
その完璧なはずの生活に、少し迷いが生じます。そんな気配のなかった同期に恋人ができてしまい、沙名子は自分の暮らし方を意識しはじめました。
そこへ、定時後の狭い経理部に「森若さーん!」という明るい声が響きます。営業部のエース・山田太陽が持ち込んだ領収書に書かれていたのは、「4800円、たこ焼き代」でした。
沙名子は経理の目で、その1枚を確かめていきます。伝票や領収書の向こうから、社内の人間模様が見えてきます。
小説『これは経費で落ちません!』はこんな人におすすめ
小説『これは経費で落ちません!』は、こんな人におすすめです。
- 通勤や通学の移動時間に1話ずつ読み進めたい人
- 会社勤めをしていて、仕事のことを書いた読み物を探している人
- 長い物語に入る前に、区切りの短い小説から読書を戻したい人
経費のやり取りや部署ごとの温度差が具体的に書かれているので、会社勤めの人ほど場面を思い浮かべやすいはずです。1話ごとに区切られているため、電車のなかで数分ずつ進めても筋を見失いません。
逆に、大きな事件が次々と起きる物語を読みたい人には、静かに感じるかもしれません。
小説『これは経費で落ちません!』を読んだ感想
筆者がこの作品に最初に触れたのはAudible版で、そのあとここ数か月のあいだに文庫で1巻を読みました。読んだのは通算1回で、通勤の電車とバスのなかで少しずつ進めています。会社勤めをしていますが経理の担当ではなく、経費を申請する側の立場です。
よかったところ
読んで感心したのは、領収書1枚から社内の事情が引き出されていく造りです。山田太陽が持ち込んだ「4800円、たこ焼き代」は金額こそ小さいのに、そこから相手の事情まで見えてきました。
使える経費の多い社員の伝票が出てくるくだりも印象に残りました。金額の大きさより、使い方の癖のほうに人柄が出ているのが面白かったです。
経理部の同僚たちの雑談と、他部署から伝票を持ち込む人への対応も楽しく読みました。経費や備品をめぐる小さなもめごと、社内の派閥や力関係、定時後の残り方の違い。自分の職場でも見た覚えのある景色が並んでいて、他人の会社の話として読めませんでした。
経理の担当ではない立場でも、そこは変わらず重ねて読めました。エピソードの区切りが短いので、電車を降りるまでに1話ぶんが終わるのも、通勤中の読書としてありがたかったです。
合わないと感じたところ
経理や会計の用語が出てくるところで、読む速度が落ちました。意味は調べずにそのまま読み進めたので、細かい手続きのくだりは分からないまま通り過ぎています。
営業部の社員たちが誰なのかも、途中で分からなくなりました。太陽以外の営業メンバーが出てくる場面では、名前と立場が結びつかないまま読んでいました。
Audibleで小説『これは経費で落ちません!』を聴いた感想
筆者はこの作品を、先にAudible版で聴きました。通勤の電車とバス、それに車を運転するときに流して、1〜2週間で通しで1回聴き終えています。速度は等倍のまま、最後まで変えませんでした。

よかったところ
いちばんよかったのは、ナレーションの読み分けです。三木美と大野海夏大の二人が読んでいて、森若沙名子と山田太陽は声だけですぐに区別がつきました。
全体としては淡々とした読み方で、移動中でも耳が疲れませんでした。速度を上げたいと思わなかったのも、この読み方だったからだと思います。
手がふさがっていても物語が進むよさは、通勤の電車でとくに強く感じました。本を開けないほど混んでいる日でも、降りるころには話が先へ進んでいるのが気持ちよかったです。
合わないと感じたところ
移動に気を取られていると、話を聞き落としました。乗り換えや道路のほうへ気が向いているうちに、気づくと場面が先へ進んでいます。
そのたびに止めて戻して聴き直したのですが、これがいちばん手間でした。とくに金額や伝票の数字が出てくるところと、誰のセリフか分からなくなったところは、どこまで戻せばいいのか探すのに時間がかかりました。
小説『これは経費で落ちません!』を無料で読む方法
小説『これは経費で落ちません!』を費用をかけずに楽しむなら、Audibleの無料体験を使う方法があります。
Audibleでは聴き放題の対象です(調査時点)。1巻の再生時間は5時間54分です。
Audibleは初回30日間が無料で、無料期間内に退会すれば費用はかかりません。無料期間が終わると月額1,500円で自動更新されます。
再生時間から計算すると、往復1時間の通勤なら6日ほどで聴き終わる分量です。
Audibleにはシリーズ12冊ぶんが配信されています(調査時点)。対象作品は入れ替わるため、聴きはじめる前に商品ページで確認してください。
小説『これは経費で落ちません!』に関するよくある質問
小説『これは経費で落ちません!』は完結していますか?
完結していません。書籍は13巻まで出ていて、14巻が2026年8月19日に発売予定です。
刊行が続いているシリーズなので、途中の巻から読み始めるより、1巻から順に追ったほうが人物関係でつまずきません。
Kindle Unlimitedで読めますか?
Kindle Unlimitedの対象外です(調査時点)。読み放題では読めないため、Kindle版は単品購入になります。
読み放題の対象作品は入れ替わるため、購入前に商品ページで確認してください。冒頭だけであれば、Kindleストアの無料サンプルで試し読みできます。
NHKのドラマとはどういう関係ですか?
この小説が原作です。ドラマは2019年にNHKで全10話が放送され、多部未華子が森若沙名子を演じました。
シリーズは1巻から話がつながっていく作りなので、ドラマから入った人も1巻から読むと流れを追いやすくなります。
漫画版もありますか?
あります。森こさちが作画を担当したコミカライズが、集英社の『クッキー』で連載されています(原作:青木祐子)。
小説を原作にした漫画なので、物語の流れは同じです。活字で読むか絵で読むかの違いで選んでください。
本編のほかに関連する本はありますか?
姉妹編の『風呂ソムリエ ~天天コーポレーション入浴剤開発室~』があります。森若沙名子が勤める天天コーポレーションが舞台の作品です。
集英社オレンジ文庫の公式サイトには、Web限定の番外編(「お人好しの希梨香」「十月の田倉勇太郎」)も置かれています。
まとめ
小説『これは経費で落ちません!』は、青木祐子が書く集英社オレンジ文庫のお仕事小説です。経理部の森若沙名子が、伝票や領収書の向こうにある社内の事情に踏み込んでいきます。
1話ごとに区切られているので、通勤や通学の移動時間で少しずつ進める読み方に向いています。会社勤めの人なら、経費や部署のやり取りに見覚えがあるはずです。
刊行はまだ続いているシリーズです。Kindle Unlimitedの対象外ではあるものの、Audibleでは聴き放題の対象なので、移動中に物語を進めたい人は30日間の無料体験から試してみてください。
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